Chapter 2 五種のプロセスを因果から解釈する

1. 五種のプロセスを因果から解釈する

Chapter 1では、人が自らの善行によって
本源の法に働きかけ、その法の宝庫から宝と力
を引き出して、その力によって内外の問題を
解決していくまでの経過は「名・体・宗・用・
教」の五種類のプロセスに分類される、と
語った。「名体宗用教」は「妙法蓮華経」の
五字を解釈する時の名義でもある。(下表)

この Chapter 2では、この五つのプロセスを
因果」の観点から解釈する。
この場合、因果とは、人が行ずる
「因行と果行」の意味である。
たとえば、一つの仕事をする時に「原因を
作っている時の 行為が因行」で「最終的な
仕上げ(結果)を仕上げている時の行為が果行」
である。
ただ、ここでいう因果の意味には、人の
行為ばかりでなく、現象や物事の起こり、
また、それらが「推移する経過」の因果も
含まれる。たとえば「この出来事が原因と
なって、その結果、このような状況が生じた」
といった場合、その経過の因果も含まれる。
その他、自然界、宇宙現象の中に存在する
すべての因果が含まれる。
因果を「五種のプロセス」に配置すると、
次のようになる。

2.  1の名とは

初めに、1の名とは「本源の法」を悟った
仏の教え(情報)のことである。教えは情報で
ある。その教えによって人は本源の法の
存在を知るからである。
なぜ、仏の教えを「名」と呼ぶかというと、
教え(情報)に名前とかタイトルを付けて、
わかりやすくまとめてあるからである。
わかりやすくまとまっていなければ、それは
情報とは呼べない。教えも同じである。
また、情報は「道」でもある。複雑で深淵な
世俗世界の中にあって「名」を立てることに
よって人々に道を示す。そして名によって、
誰もが、その道を見たり聞いたりできるよう
にする。そして、人々がその道を通って遠く
まで趣き、最後に究極の幸福にまで到達でき
るようにする。
そのような役割を担った情報(名)は「1の名
から「5の教 (情報の識別) 」までの因果関係
を「一貫して通して説かれた情報」でなけれ
ばならない。「体」だけとか、「宗」だけとか、
「用」だけとか、一つ一つを個別に説くだけ
では情報として不十分である。1から5までの
因果関係の経過を、一貫して通して説き明し
た情報であって、初めて (それは)人々を幸福
に導く情報となる。
故に1の名は「通じて因果を説く」となる。(注1)

(注1) ただし、一貫して通して説かれる
必要があるのは、1の名だけである。
2と3と4は個別に説かれる因果である。
5は個別と全体の両方の因果が説かれる。
5は個別の因果を全体の因果の中に位置
づけ、因果の情報を正しく識別するから
である。

3.  なぜ本源の法の因果は
    「すべての因と果」なのか

 

次に上表によると、2の体の因果は
「すべての因と果」になっている。
これはどのような意味であろうか?
体とは本体の意味で「すべての法の本体」
のことである。「本源の法」は、この世に
存在するすべての法の本体なので、体とは
本源の法を指す。従って、2の「体の因果が
すべての因と果」という意味は「本源の法
の因果がすべての因と果」という意味で
ある。 

しかし、なぜ本源の法は「すべての因と果」
という形で、すべての因と果を備えていなけ
ればならないのであろうか?
それは本源の法の因果は、あらゆる人が
行ずる、あらゆる形の因行と果行に対して、
例外なく対応できなければならないから
である。また、受容できなければならない。
そうでなければ、法としての役割を果たす
ことはできないからである。
たとえば、ある人の行ずる因果の行に
対しては、対応することができても、
ある人の行ずる因果の行には対応できない、
ということであってはならない。法の因果
にそのような「不公平」や「偏り」は許さ
れない。
すべての人が行ずるあらゆる善の因行と
果行に対して、公平に対応でき、そして
それぞれの行為(仕事)に応じた報酬と報い
を生じさせなけれ ばならない。故に、
体(本源の法)の因果は「すべての因と果」
になる。

4.  なぜ、宗の因果は、
     単なる「因と果」なのか

次に、上表によると 3 宗は、単なる「因と果」
となっている。
まず、宗とは何か――。 
どのような意味があるのか?
宗には、おさ、ボス、頭、重鎮の意味があり
「組織や特定の世界の中で最も尊ばれる人
とか中心者」の意味である。たとえば、
組織のボスが一言、命令を下せば、組織の
全体がその方向に動く。彼は重鎮だからで
ある。また、宗には、人に限らず、教えや
思想の中で最も「根本的な趣旨」、
「中心を為す要旨」という意味もある。
宗旨、宗教という。宗教は仏(もしくは神)の
教えを旨として組み立てた宗旨のもとに、
人を結集させたもの、人間の集団。(漢和辞典)

ただ、五種のプロセスの中での「宗」の
意味は、特定の世界の中で最も中心を為す
人物が行う「行為――即ち因行と果行」を
意味する。したがって、五種のプロセスの
中では「1名、2体, 3宗, 4 用, 5教」の5項目
の全体を引っ張る力がある。宗に重鎮、
中心者、要旨の意味がある所以である。

「服の一角を引けば、服全体が引きつけ
られる」
「網の一角を引けば、網の目の全体が連動
して引き付けられる」

という譬(たと)えに例えられる所以である。

実際、あなたが行う善の行為には、この
ような中心的に重要な役割がある。
たとえば、五種のプロセスの中では、
あなたが行う善行にAct①とAct②の
慈悲行と智慧行を加われば、その行為は
「能成–Active」となり、その働きに
よって「所成―Passive」である「本源
の法」を動かすことが可能となる。  
そして、その本源の法の宝庫から宝と力
を引き出すことができる。
また、引き出した宝と力の効力を発揮
させて、内外の諸問題をよく解決させる
ことができる。故に人の行、即ち「宗」は
実践的な意味で最も重要なのである。
+
その重要な宗の因果が、上表では単なる
因と果」になっているのはなぜか? 
また、そこにはどのような意味があるのか?

宗の因果は、要約して言うと「人の行の因果」
であるため、「個別の因果」「個別的に行じら
れる因行と果行」という意味である。
また、この因果は、先に語った本源の法の因果
とは、決定的な違いがある。先ほど、私は
「本源の法の因果は偏りがあってはならない」
と語った。しかし、宗の因果は「偏っていても
構わない因果」なのである。
なぜか?
それは人の因行と果行の行じ方が、人に
よって、それぞれ異なるからである。ある人は
日常生活の中で因行と果行を行じ、主婦は
家業の中で因果の行を行じる。また、
サラリーマンは会社の各業務の中で因果の
行を行じ、子供たちや学生は、それぞれの
学業の中で因果の行を行じる。また、ある人
は政治の分野で、ある人は外交の分野で、
ある人は 経営の分野で因と果の行を行じ、
ある人は科学技術や情報通信の分野で因と果
の行を行じる。それぞれの職業や活動の場で
行ずる因果の行の形は、それぞれ異なり、
また、それぞれの形で専門的な方向に――
また、その人の得意な方向に――偏って行じ
られる。
善行も同じである。それぞれ得意な方向、
専門的な方向に偏って行じられる。
この故に人の行の因果は「偏っていて
構わない因果
」なのである。

また、この因果は、普通の因果であり、
二行であり、必ず因行と果行がある。二行とは、
人が因果を行ずる場合、結果は必ず因行に
よって得られるからである。故に二行になる。
「結果によって結果が得られる」ということは
決してない。果は必ず因によって得られる、
故にそれは二法である。

5  本源の法の因果は
  「一にして二、
二にして一」

それに対して、本源の法の因果は二行ではない。
それは「一であると同時に二、二であると同時
に一」と表現される。これを「一体不二」という。
これは一つの行為/出来事が、実際には、原因で
あると同時に、結果でもある時があるからである。
本源の法は、その両方の意味を汲み取るので
ある。故に「一にして二、二にして一」になる。 

このことは大事なので、詳しく解説する。
私は先に、本源の法の因果は「すべての因と果」
と語った。この意味を正確に言うと、本源の法
は一つの出来事/行為を、原因の意味だけに
捉える時があり、また同時に、結果の意味だけ
に捉える時があり、また、原因と結果の両方の
意味に捉える時がある。
たとえば今、あなたが会社で車を作るための
仕事をしていたとする。その仕事を、あなたは
車を作るための因行として考えていたとする。
会社もそれを因行として捉え、それに対して
給料を払う。しかし、実際はあなたが会社で
行なった仕事/行為は、昨日までのあなたの行為
の結果でもある。昨日までのあなたの行為が
あったから、その結果、あなたは今日の仕事を
できるのである。
このように一つの行為でも、それは「原因でも
あり、結果でもあり、また、その両方でもある」
という事実が現実にある。現実の現象世界の中
では、あなたの行う善の行為は、原因として、
結果として、また、原因と結果の両方の意味で
作用している。本源の法は、そのすべての意味
を捉え、あなたの善行を評価するのである。
故に、本源の法の因果は「原因、結果、原因と
結果の両方」であり「一にして二、二にして一」
となる。

ただ、本源の法のこのような「因果の特性」は、
あなたに有利に働く場合がある。本源の法は、
あなたの行為を因行と果行の両方として捉え、
一つの行為に対して、二つ分の報酬を用意する
ことがあるからである。
しかし、実際はそればかりではない。
もし、あなたが会社で行った一つの善の行為
が「その他の人達の善の行為の因果」とつなが
れば、より大きな強い効力として力を発揮する。
また、もしそれが現象世界のさまざまな現象
の因果と効率よくつながれば、さらに大きな
作用と力を発揮することであろう。本源の法は、
そこまでのことを実際、行うことができるの
である。 
なぜなら、本源の法の因果は「すべての因と果」
であり、この世の「すべての因と果」を管理して
いるから、そうすることができるのである。 

6  あなたの「偏った因果の行」が
   「すべての因と果」に融合した時

このことについて、もう少し拡大して具体的
に語る。
たとえば、あなたが仕事中に行った真面目な
仕事(善行)を、本源の法が「善の因行と善の
果行」として受け入れ、それに対する報酬を
用意する。
この点の本源の法のあなたに対する対応の
仕方は、あなたの会社と同じである。会社は、
あなたの仕事に対して報酬を払うからである。

しかし、本源の法は、あなたが仕事中に
行った善行ばかりでなく、あなたが職場を
離れて、人知れず一人だけで行った善の
因行と果行、陰で行った善行も見逃さずに
捉え、受容するのである。
また、あなたがある日、ある時、ある人に
会った時に、発したわずかな善意の
言葉、心、愛情、親切の所作、また、
普通では誰も関心を寄せないような、また、
あなた自身さえ覚えていないような
善意の心、小さな善の行為―――それらも
全部含めて、本源の法は、あなたが行った
すべての善の因果の行為を、一つも欠かさず
掌握し、受け入れ、そしてそれぞれに対する
報酬を、あなたの人生に生じさせるのである。
これは本源の法の因果が、先に述べたように
「すべての因と果」であり、すべての因と果
の因果関係を掌握し、管理しているから、
そのようにできるのである。
したがって、本源の法の前では、不公平とい
うことがない。すべての善行が大小を問わず、
評価され、そしてそれぞれの労力に応じた
報いと報酬が、あらゆる形で用意される。

その中でも、本源の法が、あなたの行為の中
で最も高く評価するのは、あなたが「一切衆生
に慈悲心を発したこと」また、「それを送る心
/行為」である。これはその行為が、本源の法
の本質的特性である「慈悲」と一致するから
である。

こうした人々が行う普通の善行に対して
でさえ、本源の法はこれだけの報いと
報酬と利益を出すのである。ましてや、
より深く慈悲心を発し、より頻繁に慈悲を
人々、一切衆生に送り、さらに智慧を
働かせて、仏性(本源の法)に関する情報を
人に語り、伝えれば、さらに報酬と利益
は増す。
また、あなたが「本源の法を人々に伝え
ようとしている人」を、さまざまな形で
援助し、応援しても、あなたは大きな報酬
と利益を得ることであろう。

7  あなたが行う善行に
   無数の現象の
因果をリンクさせる

その他、本源の法は、あなたの行う善
の因行と果行を、他の現象界の現象の
因果とリンクさせて、より大きな効果を
発揮させることがある。先ほど私は
「本源の法は、あなたの善行を、現象世界
のさまざまな現象の因果と効率よくつなげ、
さらに大きな作用と力を発揮させる」と
述べた。そのことである。

この場合、大事なことは、本源の法に
とって、あなたが行う一つ一つの善行は、
本源の法が無数の現象の因果をリンクさせ
る時の中心になる。逆に言うと、あなたが
善行を行なわければ、本源の法がいかに
多くの現象の因果を管理していたとしても、
それらの因果を結び付ける“大もとの中心
を失うのである。そうすれば、社会は
混沌として混迷の度を深め、いつまでも
無軌道の流れが続くことであろう。

例えて言えば、上図のように
あなたが日々、行う一つ一つの善行の
先端にはフックのようなものが付いて
いて、そのフックに、本源の法は、自らが
管理している無数の現象の因果のネット
の先端を引っ掛けるのである。そうして
両者が結びつくと、本源の法はそのネット
を社会と国際社会に広く広げる。そうして
社会の中の「善の力を増大させ、悪の力を
減少させていく」。

こうした「善を拡大させ、悪を減少させ
ていく効果」が、4 用の「他を正しく教導
する因果」である。4 の「用」はあくまで、
人々、社会、世界を良い方向に教導し、
リードする効果でなくてはならない。
単なる効果ではダメなのである。
他をよくリードする効果であって、初めて
真の「効果」となる。故に、4 用の因果は
「他を正しく教導する因果」となる。

8  人々が本源の法の存在を
 知らない場合、どうなるか

次に、もし人々が、これまで語ってきた
ような「本源の法」の存在を知らない場合、
どのようなことが起こるであろうか? 

その場合は、本源の法が無いわけで
あるから、自分の善の行為の力だけで
すべての問題に対処しなければならな
くなる。「自分の善の行為の力だけで
すべてを行う」ということは、本来で
あれば本源の法がやるべき仕事を、
すべて自分の力だけで行い、賄(まかな)う
ということである。その分、負担が増す。
また、このことは、種々の問題に対処す
る時に、あなたは無理をして自分の得意
でない力を発揮しなければならない時も
出てくるであろう。
また、あなたの現在の能力と労働力だけ
で社会で勝負し、成功を勝ち取らねば
ならない時も出てくる。  

また、本源の法がある時のように個人が
行ずる善/善行は、大きくは拡大されな
くなる。あなたの周囲にある科学技術や
各専門分野の専門法、あるいは企業組織
や公共の組織による扶助や福祉政策に
よって、あなたの善の行為・力はある
程度、拡大されることもあると思うが、
本源の法がある時のような完全な形では
ない。

また、先に語ったように、本源の法が、
あなたが行う善行に大きな因果の
網(ネット)をつないで、社会・世界に
その因果のネットを大きく広げ、
「世界の善を増大させ、悪と悪行を
消滅させていく」というような
ダイナミックな作用も起こらなくなる。

その形であなたは「成功しない」
「幸福になれない」とは、誰にも言い
切ることはできない。中には 成功する
場合もあるからである。これは断定する
ことができない問題である。「挑戦する」
ことそれ自体は大事なことであり、
結果がどうあれ、挑戦したことは、
その人の人生に大きなプラスの意味を
もたらす。

9 格差社会の現実とその解決法

ただし、今の社会は競争社会であり、勝者と
敗者が存在する社会である。現実のアメリカ
社会は現在、過度の「格差社会 (1)」に陥って
いる。「アメリカでは所得トップ 1% の世帯が
国家の富のほぼ40%を握っており、下位 90%
の世帯は富の約 23% を占めるにすぎない」
(ニュースウィーク 2018)。

その結果、トーマス・ピケティ (2) が言う
ように「アメリカ人上位1%の総資産は、
残り99%が持つ資産の総量よりも多い。
2008年のリーマン・ショック後、2009年
から2011年の間に純資産が増えたのは
トップ 7% の富裕層だけで、貧富の差が
一気に拡大してしまった」という現実が
ある。
また、このことはアメリカだけの問題では
ない。日本においてもアメリカほどではない
が、同様の格差傾向は続いている。
競争社会、そして過度の格差社会の下では、
個人が力を発揮して競争するといっても、
誰もが同じ条件で競争できるわけではない
のである。

(1) 格差社会―――所得・収入、資産に
よって社会の中で階層のようなものが
できあがり、階層間で上への移動が難し
くなっている社会と定義される。

(2) トーマス・ピケティ(Thomas Piketty)
フランスの経済学者。クリシー出身。
経済学博士。格差社会の専門書「21世紀
の資本」で一躍著名となる。その内容は
15年間かけて富の格差を研究し、世界
20か国以上の所得税や相続税などのデータ
を200年以上前までさかのぼって調査し、
富の蓄積について明らかにする試みを行なった。

相手は財力、資本力、組織力、権力、
各専門分野の専門家を揃(そろ)え、自らの牙城
(要塞) を堅く固めている。個人がまともに勝負し
ても敗退する確率は高くなる。そこに無理が
生じ、無数の悲劇が生ずる所以がある。挫折、
断念、諦め、敗北、絶望、劣等感、孤立、
競争社会で敗退する苦しみ等々・・・現代社会
の様々な苦しみが生ずる大きな要因の一つが
ここにある。
中間管理職の苦しみもある。自分の力が思う
ように発揮できない苦しみ、妥協することが
多い人生、人間関係の苦しみ等々。
(この解決法は Chapter 1 ですでに語った)

もちろん、人々は種々の問題解決のために、
各専門分野の専門家の力を借りたり、専門法の
力を使うこともあろう。しかし本質的には
人間の力、誰もが限界がある。年をとれば誰も
が、力と才能力の衰えを実感し、体力は
衰弱する。病気にもなりやすくなる。
どのように才能と財力がある人も年齢と共に、
身体も感覚器官も能力も衰える。そうすれば、
次のより優れた才能のある人、財力のある人
に取って代わられる。    
それでも市民の生活と生命の安全が確保され
れば、まだよい。要はあなたの善と善行の力
で、どれだけ市民が安全に暮らせる社会環境
を作り出せるかが課題となる。悪の増長や
悪行の計画を防ぐことができなければ、市民
の苦しみは増すからである。

こうした苦しみや課題を解消するために、
人々が「本源の法」の存在を知り、それに対
するアプローチの仕方を知ることが、
どれだけ人々に大きな力と余裕と幸福とを
もたらすことか、計り知れない。

確かに本源の法は 所成 Passive である。
能成 Active である人の行為が為されなければ、
その力は発揮されない。しかし、あなたは
自分の身近かで「善行」を行うことだけで、
広大無辺の本源の法の全体を動かすことが
できるのである。本源の法を動かすために、
無理をする必要もないし、周囲に迷惑を
かけることもない。働きすぎて身体を壊す
こともない。
もし本源の法を動かすために、あなたの善行
だけでは“不足感”を感じるのであったら、
Act①とAct②の慈悲行と智慧行を追加して
行えばよい。そのためにこのウェブ・サイト
がある。このサイトをよく読み、よく考えれ
ば、Act②の智慧行は成就する。

今、この「智慧の行」ということについて少し
具体的に語る。
Act②の智慧行とは「本源の法についての
正しい情報」をよく読み、よく考え、よく理解
し、その視座で物を見、あるいは、その情報を
人に伝える、などの行為を指す。あるいは、
そのどれか一つを行うことである。それを行え
ば、本源の法から大きな力が発揮される。
しかし、この行為の中の「本源の法についての
正しい情報」とは一体何か? 
それは今、私が語っている 「5種のプロセス」
がそれにあたる。5種のプロセスは「本源の法
についての正しい情報」の一つである。
この5種のプロセスの力は「あなたが個人的に
行う善行」と「本源の法」の二つが組み合わ
さって、初めて発揮される力なのである。
その他の組み合わせでは発揮されないのである。
この情報を読み、そしてそれについてよく
考えれば、本源の法から大きな力が発揮さ
れる。そこに何の不安と心配が、あなたに
あるであろうか?
世の中のどのような力にも負けない大きな力が、
すでにあなたの身に 備わっているのである。
あなたは自信と確信を持って、現象世界に出て
行ける。本源の法から発揮される力は、あなたを
精神的にも、物理的にも、はるかに高いレベルに
まで引き上げることであろう。

上で語った「極度の格差社会」「過度の競争社会
――これらの問題の 根本的な解決策は、市民の
一人一人が大きな力を持つことなのである。  
それによって、上と下の過度の偏りが是正され、
バランスがとられていく。従って、あなたが本源
の法から力を発揮させ、あなた自身が力を付けれ
ば、過度の格差社会はすでに解決に向かって動い
ているのである。

しかも、あなたが本源の法から力を発揮させ
れば、それによって、あなたは周囲の人々から
も、社会からも喜ばれ、感謝されるのである。
その力は、あなた自身を、もちろん裕福に、
繁栄に導くことであろう。しかし同時に、  
その力は、あなたの社会、市民、景気、教会、
企業、教育機関、マスメディア、その他の
あらゆる善の組織、国家権力を安定させ、
潤(うるお)し、彼らの仕事をやりやすく
させるのである。そして、あらゆる種類の
悪の勢力を弱め、あなたの国の大統領でさえ
仕事をしやすくさせる。先に語った
「善を増大させ、悪を消滅させていく効力」
とは、その事である。
たとえば犯罪が頻繁に発生するような状況
で、街に何百とあるコンビニやスーパー
マーケットが、安心して商売に専念できる
であろうか? 
各企業は 安心して経営に携わることが
できるであろうか? 
教育機関や学校にしてもしかりである。  
あなたの善行の力が本源の法によって拡大・
強化されて、社会の中で「善を増大させ、
悪と悪行を減少させていく」ことが、
どれほど多くの企業、教育機関、市民生活
に安心と安全、安定をもらすことか、
計り知れない。故に、あなたの行為は、
彼らから絶大なる歓迎を受けることであろう。
先に語ったように、この本源の法から発揮
される効力は

・よく他をリードする効果 
・よく他をリードする因果

なのである。それは単なる効果ではない。
全世界、全市民に「良い結果をもたらす
効果」である。

10   時に適った善の行為は
       大きな力をもたらす

 「何が最高の善の行為か」――このことは
時代によっても、時とか状況によっても
大きく違ってくる。たとえばボートから
落ちて、助けを求める人がいる場合には、
彼を助けることが最高善の行為となる。
災害時に水が必要とされる時は、水を与え
ることが最高善である。怪我人が多く出て
いる時は、その搬送に必要な救急車と薬品
を提供することが大きな善行となる。
このように時に適(かな)った善行は大きな力
を発揮する。
では、今のこの時代には、何が最高善の行為
になるのであろうか?
たとえば、人が「本源の法」の存在を知ら
なければ「その人が個人的に行う善の行為」
があるだけの状態となる。それがもたらす
「不足感」についてはすでに上で語った。
しかし、本源の法を知った場合、一つは2つ
になる。二つになれば、人々が日々行ずる
善行は本源の法の力を通して巨大な力を
発揮する。

このことを因果の観点から言うと、3の 宗 
(人の行) の「普通の原因と 結果」が、
2の ―本源の法―の「すべての原因と結果」
と融合すれば、人の善行はすべての現象の
因果の経過と連動する。そうすれば、あなた
の善の行為は、全世界で起きている事の因果
の経過と連動し、あなたの善意で世界の出来事
を善の方向に動かし、改善していくことが可能
となる。
故に、今は人々に「本源の法」の存在を知ら
せることが、最高の「時に適った善行」になる
のである。知らせさえすれば、人々は大きな善
の力を発揮し、内外の問題を解決し、幸福の道
を開いていく。故に、今はそれを知らせること
が全人類の救済につながる行為であり、時に
適った善行である。時に適った善行の力は大きく、
その報酬も絶大なのである。

11  もしあなたが若く、
    特殊な才能がある場合

ただし、あなたがもし、いまだ若く優れた
才能と力があるのであったら、それらの才能
を積極的に発揮した方がよい。その方が国の
ため、市民にため、社会のためになる。
たとえば名門の大学に入学するために、
勉強に励むとか、GPA (Grade Point of
Average) の平均値を上げて、良い就職先
に就職するとか、あるいは、政治家、実業家、
スポーツの選手になる目的を持つとか、
競争社会の中にあって、逆にその
「厳しい環境」を活かして生きることは
大事なことである。自分の力を鍛えること
になる。

その場合は、本源の法は、あなたの才能が
発揮される方向によく支援してくれること
であろう。また、事故がないよう、また、
損をすることがないように、あらゆる現象
を動かして、あなたを守ってくれるに違い
ない。本源の法の因果は「すべての原因と
結果」である。あなたが行ずる特殊な形の
「因行」と「果行」を快(こころ)よく受容し
てくれることであろう。

また、いつか、あなたが年をとり、才能にも
限界がきて、体力にも自信が持てなくなった
ら、上で語ったように、マイペースで無理する
ことなく、日々の善行に励み、生きればよい。
その場合でも、あなたが日々行う善行は、
本源の法を通して、社会で、また、あなたの
国で、国際社会で、巨大な力を発揮することに
変わりはない。 従って、あなたは日々慈悲を
一切衆生に送り、智慧を発揮して本源の法に
融合しながら、幸福に生きていける。 

あなたの家族のことは、どうだろうか? 
心配はいらない。本源の法は あなたの
子孫のことも大事に守ってくれる。
あなたの善行の効力は遠い未来の先まで
作用するが故に。

12   これから社会に出る
       未来の人に向けて

将来、あなたが社会に出て、そこで確実
に勝利を得るために、ぜひこの論文で
語った「五項目のの原理」を活用して
いただきたい。
そうして、あなた自身が社会で勝利し、
各界の立派なリーダーに成長していただ
きたいと思う。偉大なる政治家、議員、
外交官、法律家、実業家、IT企業や情報
通信関連の研究と実践を遂行する専門家、
あるいはまた、各ボランティアー組織の
中で模範となるような優れたリーダーと
なって、あなたの住む社会、国家を平和
と繁栄に導いていただきたい。
また、偉大なる母偉大なる父となって、
一生を終えてもいい。そうしてあなたの
両親、お父さんとお母さんを喜ばせて
ほしい。両親にとって、自分の子が成長
し、立派なリーダーに成長することほど
嬉しいことはない。

また、先ほど、私は「今は本源の法の
存在を人々に知らせることが最高善に
なる」と語った。このことも、人々は
あなた自身が本源の法に基づいて力を
発揮し、立派な社会的リーダーに
なった姿を見て、人々は本源の法に
ついての本当の意味で知るのである。

そのための具体的手順として――社会で
勝利する手順として――この論文で語った
五項目の原理に則って智慧を発揮し、
あらゆる情報をまとめ、活用し、また、
この五項目にあてはめて物事を見、
判断していけば、そのことが実現する。
あなたは、いかなる状況下でも勝利し
ていけるであろう。また、あなたの住む
社会、国家を平和と繁栄に導いていける
ことであろう。
なぜなら、この五項目は、一切現象界に
具(そな)わる本源の法が、一切の現象を
まとめ、動かす時の基本原理だからで
ある。特に 5 項目の中の と は、
本源の法の「」に当たる部分である。
それに対して、1 5 はそれについて
情報に関する部分である。このことは
よく覚えておいていただきたい。
後日詳細する。

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